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お受験  2004/01/18

去年の秋から急転直下でキニコが受験をすることに。

いずれは日本に帰国しなければならないのはわかっていましたが、アメリカに渡り、家族が二分されて(夫は日本)、早5年半。これほど長くアメリカにとどまったのは単に私のワガママばかりではありませんが、子供と暮らしている私にとってはそれほど長い年月にも感じられなかったけれど、子供の成長を見ずして一人で暮らす夫を想うと、やはりそろそろ限界かな…と思い始めました。

そんな話をしたのが去年の秋。しかしキニコは断固として帰国したくないと言います。夏の日本での体験入学を楽しく送っただけに、意外な反応でした。しかしこれまで英語でずっと教育を受けてきて、英語でならちゃんと勉強できるのに、それが日本に帰った途端、勉強する以前にまず語学を習得しなければならない。また小学校2年生の時に海外から帰国して、それまでは問題なく授業について行っていたのが、一挙にクラスのどん尻になり、苦労した記憶のせいかもしれません。

また日本に帰ってきちんと日本語が習得できればいいけれど、案外それもままならず、おまけに英語も今の14歳レベルで止まってしまうという最悪のケースも考えられます。少なくとも一つのまともに機能する言語を持たない限り、思考能力にも影響するので、それも心配のひとつ。だからといって、「じゃ、あんた、残りなさい」とも言えないし、無理やり引っ張って帰って、後ろ向きな姿勢で日本と対面しても欲しくない…。

そこで交換条件を出すことに。レベルの高い全寮制高校に入学できて、しかも奨学金をもらえたら残っていい、でもだめだったら一緒に帰国だよ、と。

それからというもの、学校を調べ、申し込みをし、願書・作文その他の提出物を出し、面接を受け…とめまぐるしい日々でした。実は、ついさっき面接のための旅行から戻ったばかり。感想は…「本当にこんな環境があっていいの?」驚きの連続でした。こんな恵まれた環境があるなんて…。勉強ができて当然と言うか…。お金があればこんなすばらしい環境で勉強できるんだとつくづく感心しました。

スケールも施設の充実性、コースプログラム、教職員の質…、恐らく世界でも無比の内容と思われます。キニコが願書を出した学校は全て親の収入に応じてしか奨学金(金銭援助)が出ません。成績によっての補助、いわゆるメリット奨学金は出ないのです。しかしその額や、またスケールが違う。

年間の奨学金の総額が約4億円! 生徒数は4学年で500人から800人。その3割強が奨学金を受けています。学費は2万2千ドル(約220万円)、寮費を含むと3万2千ドル(320万円)。3割が金銭援助を受けているというのも驚きですが、逆に7割はこの額を丸々支払っている人たちなのです。しかもこれは高校の学費。この4年間に加えて、大学の4年間の学費も親は支払っていかなければならない…。(ちなみにオハイオ州立大学の学費は6千ドル、寮費は1万ドル。)

しかし卒業生の名前を見て、納得。JFケネディーの母校だったり、ヨルダンの国王が卒業生だったり、ブッシュ親子が卒業生だったり、エジソンの長男の出身校というのもありました。というわけで、卒業生からの寄付もかなり寄せられています。家族が卒業生だったり、名門の家庭だと、いわゆる「レガシー入学」というのがあるようですが(でも名門の家庭の子女は、それ以前もレベルの高い私学の小中学で教育を受けているので、おのずと勉強もできる)、それ以外は成績と面接、そして何か特技(スポーツ、音楽など)があるかどうかなどで決まります。成績も私学受験標準テストのトップ7%というのが平均だそう。

キニコの結果はどうなるかわかりませんが、とにかくこの受験騒動を通して、アメリカにも受験があるということ、そしてこんな恵まれた学校が存在するということなどなど、新しいことを色々学びました。

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自己紹介

2010年8月にコネチカット州よりノースカロライナ州へ移住。移住後の生活をブログにて報告します。