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英語と日本語 (2) 04/02/2001

さて、英語では動詞が先に出てくるといいましたが、動詞は文章の中でも一番重要な言葉。たとえば「賛成する」のか「反対する」のか。「行く」のか「行かない」のか。ポイントですよね。

その重要な点を先に言ってしまう英語と、重要な点が後から出てくる日本語。これは単に文章の構成に限らず、日本人、アメリカ人の思考の特徴を表しているようにも思えます。

たとえば、通常日本人なら、
「明日は、午前中は歯医者の予約があって、午後は娘の懇談会がありますので、すみませんがお休みさせてください。」と言うでしょう。
でもアメリカ人なら、
「明日はお休みしなければなりません。というのは午前中に歯医者の予約と、午後には娘の懇談会があるからです。」と言うのです。

日本人の場合はどうしても先に「言い訳」したくなるんですよね。先に理由を並べて、その間に自分の言わんとしていることを相手に読みとって構えてもらおうという、潜在的な気持ちが文の構成ににじみ出ている…と感じるのは私の思い過ごし?

逆に英語の場合は先にポイントを述べて、相手の注目を引くというねらいがあるように思います。
たとえば、「明日はお休みします」って言われると、「えっ? どうして?」ってなるでしょう?

つまりアメリカ人は結論を先に言って、理由をその後に述べるのに対し、日本人は先に理由を述べて、その後に結論を述べるのです。このアプローチは単にひとつの文章にとどまらず、論文やスピーチでも同様。

カリフォルニアの学校でスピーチの授業を取ったときの話。スピーチでは原則として、一番最初に最も言いたいことを述べ、次にその理由や例を述べていき、最後に再び同じことを結論として繰り返すのです。(そう、とてもくどい。)

ところが私は、あるスピーチで最初に「逆説」を述べ、そして徐々に実はそうでないことを、例をあげて証明していきました。ところが教授のコメントは、私が一体どっちを言いたいのか混乱してしまったと言うのです。

関西人の私としては、最初に「落ち」を言ってしまったのでは面白くないと思ったのですが、どうやらそれはここでは通用しないようです。

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2010年8月にコネチカット州よりノースカロライナ州へ移住。移住後の生活をブログにて報告します。