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テーブルマナー 2001/02/06

テーブルマナーが語れるほど我が家は躾が良くない。
いや、そういうレベル以下で、お茶碗を持ち上げずにごはんを食べたり、肘を付いたりは序の口、食卓で歌うわ、挙句の果てに下の娘は、「うん○」とかおもむろにのたまって席を外れるわ。

ヨーロッパとアメリカのテーブルマナーの大きな違いはナイフとフォークの持ち方にある。(私の言う「アメリカ」というのは一般的なアメリカで、ハイソな上流社会やニューヨークやロサンゼルスのヨーロッパ風にソフィスティケートされた人々は除きますので、あしからず。)

ヨーロッパ式は、一般的に知られるナイフとフォークの使い方。右利きの人は右手にフォーク、左手にナイフ。 日本でよくやるように、ご飯をフォークの背に乗せることはないにしても(フォークの腹に乗せます)、デザート以外はフォークとナイフはセットで手にしているもの。

アメリカ式は、切る時にだけナイフを右手、フォークを左手に持ち、切り終わるとナイフを置いて、フォークを右手に持ち替える。一口ずつ切るのが正しいマナーなので、食事中のこの持ち替えは頻繁に行われる。ただし、家庭の中や子供の場合は、最初に全部細かく切り分けてしまうことも多い。

イタリアでの正しいマナーのスパゲティーの頂き方は、左手にスプーンを持ち、パスタをすくったフォークの先をスプーンに当てて、くるくるっと巻き上げて行く。日本じゃもうお馴染の光景だけど、アメリカではなかなかお目にかかることはない。スパゲティーも短めに折って料理してあることが多い。

ついでにパスタの堅さの話をすれば、日本じゃ「アルデンテ」なんて言葉がすっかり浸透したけれど、一般的なアメリカのパスタは、まだ一昔前のママ-・スパゲティー並。(今じゃママ-でさえ、100%デュラムセモリナだもんね。)

さて、長女の誕生日に外食した時のこと。

オリーブガーデンというレッドロブスター系列のイタリアン・レストラン。
パスタはやっぱりアメリカ風にソフトだけど、この手のチェーン・レストランとしては他所よりは多少単価が高いし、それなりにイタリア風。

週末のその日は超満員の75分待ち。オハイオに引っ越してから、「オリーブガーデンに行きたいなあ」と3人でずっと思っていたところ、ここいらで一番大規模なモールでやっと見つけた1軒。 ここまで車を一時間飛ばしてやってきた田舎者としては、75分待ってでも食事がしたかった。
近くに本屋の「バーンズ&ノーブル」があったからそこで時間を潰すことに。

さて、薄暗いレストランの中に案内されると、そこは家族連れやカップルでにぎわっていた。

ふとあるふたり連れに目が止まる。 20代半ばってところ。
見つめあうふたりのテーブルに、彼らが注文したフェットチーネ(きしめん)が運ばれてきた。

男性はおもむろにナイフとフォークを握りしめると、そのクリームソースがかかったきしめんに向って、滅多切り攻撃をかけ始めた。

縦に横に斜めに、激しくナイフを動かしている。
むかえに座る彼女には別段驚いたそぶりもない。
ひとしきり切り終わると、ナイフを下ろし、右手にフォークを持ち替えて、ぐちゃぐちゃになった代物をせっせと口に運び始めた…。

これぞ究極のアメリカ式パスタの食べ方か。

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自己紹介

2010年8月にコネチカット州よりノースカロライナ州へ移住。移住後の生活をブログにて報告します。