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あっさり娘たち  2001/07/30

うちの子供たちは親離れしていると言うのか、あっさりしてると言うのか、こちらから電話でもかけない限り、まったく電話もよこさない。(わざわざ500分のコーリングカードも持たせたのに。)便りの無いのは元気な証拠とは言ったもので、こっちから電話しても、いつも忙しそうに楽しそうにしている。

そんな娘たちが先日初めて電話をしてきた。
上の娘「ママー、キニコ。シナコが電話したいって言うから。シナコにかわるね。」
私  「あ、はい…。」
下の娘「ママー。シナコ。あのね、キヤスティンの髪の毛、取っていーい?」
私  「いいけど、今度またクシャクシャになったからって、シカゴまで行かないからね。それでもいいんならどーぞ。」
下の娘「うん! わかった。じゃあーねー。」

プープープー…。
これで電話が切れた…。

ところでこの会話の内容の説明。キヤスティン(KIRSTEN)というのは娘が持つ人形の名前。「アメリカンガール」というシリーズの人形で、通販でしか購入できない。一体が90ドル近くする高価な人形なのだが、これが結構、アメリカの女の子たちに人気がある。我が家では一昨年のサンタからのプレゼントだった。オクラホマの従妹も持っているので、一緒に遊ぶために持って行ったのだ。

このシリーズには。それぞれの人形の時代設定、物語があり、ちなみにキヤスティンの場合は1854年、北欧からの移民の9歳の少女。長女の人形ホセフィーナ(JOSEFINA)の場合は1824年、ニューメキシコ州に住む9歳のヒスパニック系の少女となっている。

人形の他に、絵本、洋服、人形の洋服とおそろいの子供服、雑貨…などなどたくさんある。本を除く(本屋で買える)ほとんどすべてが通販なのだが、全米で唯一シカゴにだけお店を構えている。(注:今では、ニューヨーク、ロスにもお店ができました。)

今年のお正月にシカゴに遊びに行った時に寄ってきた(というよりは、これがお目当てだった)。
そこにはありとあらゆる商品のほかに、人形と一緒に入るレストラン(人形用のいすが用意されている)、人形用の美容室コーナーまである。

娘のキヤスティンの当時の髪はばさばさ。娘がぐちゃぐちゃにしてしまったからだ。40ドルほど出せば人形の首をまるごとすげ替えてくれる。でも、それもちょっと可哀想な気がした。美容室では20ドル払うと、元の髪型になんとか結い上げてくれる。そこで娘は自分のお小遣いで髪を整えてもらうことにしたのだ。

だから、娘がまた安易に「シカゴでやってもらう」なんて言い出さぬよう釘をさしたのだ。

ところで、我が娘たちのこのあっさりぶりは、考えてみたら私と両親の関係とまったく同じ。私が高校生のとき1年間の留学でアメリカに飛び立ったときも、
「他の子達はみんな泣いて別れを惜しんでるのに、あんたときたら“バイバーイ”ってさっさと飛行機乗ってしまって」っと後に親に言われたものだ。

しかしその親も、私が会社からフランス駐在の内辞をもらい、夜遅く家に帰った日のこと。既に床に就いていた母親に、
「フランス行き、決まったからね」とささやくも、
「はーは、わかったから、お風呂の元を切って寝なさいよ。」
一瞬、わが耳を疑ったが、きっと聞こえなかったんだろうと良心的に解釈し、今度は同じことをもう少し大きな声で繰りかえした。
しかし、
「はいはい。わかってるから、お風呂の元だけお願いね。」

…言われた通り、お風呂に入って元栓を切って寝た私だった。

血は争えずということか。

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自己紹介

2010年8月にコネチカット州よりノースカロライナ州へ移住。移住後の生活をブログにて報告します。