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小切手 2002/04/25

クレジットカードの普及で以前に比べると小切手を使用する頻度は減ったものの、小切手はまだ結構利用されている。私もクレジットカードは使うが自動引き落しはどうも信用できないから(みずほ銀行じゃないけど、誤って引き落とされるなんてことはこの国では十分有りうる)公共料金、電話、ケーブルなどの支払いには古風に小切手を使っている。

実は2つ銀行に口座を持っている。ひとつは勤め先の関連会社である信用金庫。もうひとつは給料が振り込まれる銀行。本当はひとつのほうがよっぽど便利なのだが次の理由により仕方なく2つを維持している。
1)引越した直後に口座が必要で開設し、給与の振りこみ先に指定(働き始めるまで信用金庫の会員にはなれなかったため仕方なく別の銀行で口座を開設)
2)信用金庫は特典が多いうえ、工場内に支店とATMがあるため便利
3)銀行から信用金庫に給与振りこみ先を変更するには2ヶ月かかり、その間給与の自動振りこみは出来ない(小切手の郵送になるため5日ほど余計に日数がかかる)
4)最初の銀行の小切手帳がまだ残っている(口座を開設したとき5冊ほどタダでもらった)

というわけで、毎月給料は銀行に振りこまれ、その直後にそこから信用金庫に自分で小切手を書いて入金し、普段の現金の引出しや小切手による支払いは信用金庫を利用している。

一時帰国の直前、信用金庫ではトラベラーズチェックを無料で作ってくれるため、銀行での残高をATMで調べ、調べた残高のほぼ全額を自分宛てに小切手を書いて信用金庫に移した。

ところが、数日して銀行から手紙が届いた。「あなたの切った小切手は残高不足のため返却しました。ペナルティーとして20ドルを課します。」
そんなばかな。ちゃんとATMで残高を調べたのだから。あわてて銀行に電話した。
「いえ、その前にXXドルの小切手が切られています。」
そうだ、すっかり忘れていた。それにしてもあの小切手を切ったのは2週間以上も前の話。何故今ごろ?

そこではじめてわかったこと。小切手は持って行けば即入金されるが、実際にその小切手が引き落とされるまでには数日から十数日の日数がかかる。これには仕掛けがあり、複数の銀行が集まって設立するクリアリングハウスという中間施設があるために、各銀行への支払いはそこから直ちに行われる。調べて見ると私の銀行への入金は小切手を振りこんだと同時に行われているが、引き落としのほうは物理的に小切手がその銀行に届くまで残高から差し引かれることはない。

この時間のギャップのため、実際には残っていないお金があたかもあるように勘違いし、今回の大失敗に繋がったのだ。

慌てて再び銀行と信用金庫に電話してどうすれば良いのか相談した。そこでわかったことは、通常残高不足などで小切手が落ちなかった場合、3度まではトライするらしいが、私の信用金庫の場合は2度までのトライしかしないとのこと。間違った小切手を切ってしまった場合に取り消しするためには、手数料が35ドルかかる。「じゃあ、同じ額の小切手を反対に切れば相殺できるね。」という私の提案に、「あなたのもう一方の口座に本当にそれだけの額があればいいけれど、今ある額が例の小切手による架空の額であればそれは法律違反。ないものを有るように見せることになるから」とのお言葉。

結論として、信用金庫のほうはもう1度トライするだろうから、あと20ドルのペナルティーが課される。一方キャンセルするには更に35ドル払わなければならない。ならばそのまま放置したほうが得だということになった。

でも、結果は果たしてそうだったのか。 つい最近、信用金庫から手紙が届いた。
「今回の不渡りにより、今後あなたの口座に入金される小切手は直ちに引出すことはできなくなりました。」

え? それは困った。もし物理的にお金の引き落としがされるまで引出せないということなら、1週間以上のギャップが生じる。 今回の件で、私の「信用ランク」はかなり下がったのは仕方ないが(いいよ、別にアメリカで家買ったり、お金借りたりしないから)こんなギャップがあってはたまらない。銀行から現金を下ろして、現金で信用金庫に入金しようにも、一日の現金引き出し限度はたった300ドルなのだ。(アメリカでは一般的な限度額。日本じゃ100万円なのにね。)

工場内の信用金庫の支店に相談しに行った。これまでもこの件で何度か足を運んでいたから、「事情はわかってるから、今回に限りこの処置は取り消してあげます」と言ってくれた。
あ~助かった!

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自己紹介

2010年8月にコネチカット州よりノースカロライナ州へ移住。移住後の生活をブログにて報告します。