トニー君と言うのはうちの部署にいる好青年である。めずらしく小柄なアメリカ人で、童顔にちょびあごひげを生やし(きっとこれが無かったらもっと若く見えるんだろう)少し薄くなりかけた髪を五分刈りにしているから、ちょうどヒヨコに似てる。20代に見えるが、実は31歳なんだって。
彼の家に近々赤ちゃんが誕生した。めでたいじゃないですか。でもそれだけの話じゃ特筆に値しない。この赤ちゃんは彼の5人目の子供。(同じ奥さんの子供です。連れ子とかじゃないよ。)上に双子の子供がいるわけでもない。大学を出て直ぐに結婚。この8年間に、1、2年置きに赤ちゃんが生まれている。そして極めつけは五女だってこと!!
実は5人子供がいる家というのは、あまりめずらしくもない。トニー君と同じチームにいるケリー君のところも5人。彼の家の場合は、男、男、男、女、女の順番だそう。丁度4人目を同時に妊娠していたらしく、ケリーとトニーでどっちが先に念願が叶うかって争っていたらしいけど…。
オハイオではカトリックが5割以上を占める。だから兄弟姉妹が8人とか10人とか言う人がたくさん回りにいる。トニー君本人には聞きにくかったから、パティーに聞いてみた。
「ねえ、聞いていいんだかわかんないけど…、トニーのところって、なんか宗教的な理由があるわけ?」
「そうよね。そうも聞きたくなるでしょうね。確かに私たちの親の世代は、自然な方法での避妊しかカトリックでは許されてなかったから、私も9人兄弟だけど、今はピルも使えるようになったし、それはないわ。トニーの場合は単に男の子が欲しい一心みたい。」
なるほど。
今日、偶然トニー君と休憩が一緒になったので尋ねて見た。
「家族とか助けてくれる人、近くにいるの?」
「いや、僕らは二人ともミシガン出身なんだ。どっちの親も引っ越したからミシガンでも更に遠い所になっちゃった。」
「じゃあ、奥さんは一人で5人見てるわけ?」
「そう、僕と二人で。だから、朝早く起きて、会社に行く前に二人で家のことできるだけやって、帰ってから二人でできるだけやるから、毎晩寝るのは12時過ぎだよ。家のことも、子供の世話以外にもやること一杯あるから。芝生刈ったり、車の修理したり…。そして朝は6時には起きなくちゃならない…。仕事の事も気になるけど、でもここからは家の時間と切り替えなきゃと自分に言い聞かせるんだ。…すると仕事の夢みちゃうんだけどさ。」
社員は、定時になったらピタっと居なくなるタイプと、残業しても仕事を仕上げるタイプに分けられるのだが、彼は私から見ると仕事熱心で、後者のタイプ。(少なくとも5人目が誕生するまでは。)それでいて、いつも明るくってノー天気に見えたトニー君の素顔を発見して妙に感心してしまった。
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自己紹介
- Jodako
- 2010年8月にコネチカット州よりノースカロライナ州へ移住。移住後の生活をブログにて報告します。
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